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1995年2月 インドカレーカーマ誕生

どうやら父の話を聞く限りでは、中南米を放浪していたときに下宿先のインド人に作ってもらったカレーが舌鼓を打ったらしい。

帰国してから20年くらいだろうか、もともとやっていた仕事を辞めると、1年間の余暇をとりカレーの研究に没頭した。そして突如、神田神保町にてインドカレーカーマは誕生したのであった。

本人いわく「カレーは大好物だけど、まさか作り手になるとは思わなかった」らしく、開店当初は味が定まっておらずに閑古鳥が鳴くのであった。しかし1年ほど味の試行錯誤を繰り返した結果、看板メニューのチキンカレーを父が生み、母がその他のカレー（キーマ・サブジ・やさいカレーetc）を考案した。まさに二人三脚で生み出したそのカレー達が繁盛店に導くことになる。

当時はまだまだ馴染みがなかったシャバシャバの南インドカレーは、最初こそ受け入れられなかったが、次第にヤミツキになるその味にお客さんたちは魅了され、そこから23年ものあいだ愛され続けた。

余談ではあるが、かつて三越前にあった「通称：蔦カレー」の味と似ているとも言われる当店のカレーだが、父は前職でよく納品に行ったついでに食べていたという。「あそこの店名はな、ハッコウっていうんだよ」と密かに教えてくれた。

開業当時の店主と妻

このカレーがなくなるのは参った

そしてカーマのDNAは続く…

初めまして。大野 将太おおのしょうたと申します。
2018年に父が病に伏せてから5年間、その味をなんとか継承し営業を続けて参りましたが、物入りな情勢により店の閉店を決意しました。あのときは、正直に悔しさで枕をぬらしたものですが、「カレーを作りたい」という欲求が、今まさに移転開業へと向かわせました。

これからお世話になる新潟県長岡市は山と海と地の幸が猛烈に詰まった地方都市です。妻の縁で初めていったときはいろいろな意味で衝撃を受けたのを覚えています。それから興味がわき何度か通い続けていると、いろいろな方々とのご縁ができました。

もともと私自身が海や川が好きでたまらないというのもありますが、U・Iターンして「ここを第二の故郷として再スタートするのもありかな」そんな風に考えるようになり今に至ります。冬は豪雪で夏はフェーン現象により暑い地域ですが、その環境が育む恩恵は多分にあると思っています。

もちろんこれまでのオリジナルの味はそのままに、その土地でとれた食材を活かしながら細く長くカレーの活動を続けて参りますので、これからもどうかよろしくお願いいたします！